こいのぼり

「やねよーりーたーかーいーこいのーぼーりー」
大きな声で、こどもたちと歌いますが、
最近は、そんなこいのぼりをあまり見かけません。
でも、善隣のこいのぼりは、こどもたちの頭の上を元気に泳いでいます。
おなかの中に風をたくさん吸い込むようにして泳ぐこいのぼりの家族は、
見ていると、いつも元気をくれます。

そんなこいのぼりを眺めながら、各クラスでは、
先生たちが、考えに考えた『こいのぼり製作』を楽しみました。
善隣には、保育マニュアルはありません。
「この年齢のこの時期は、○○を作りましょう。」というようなアドバイスはしません。
「先生は、どうしたいですか?」と、わたしが尋ねると、困ってしまう先生もいます。
でも、こどもは一人一人違う、先生も一人一人違うのですから、
その時のベストは違って当然です。
ここまでの経験や知識を駆使して、最後は、先生本人の感性で保育をするのです。


さて、ももさんは、触りたくて仕方がなかった『のり』で、
丸や三角や四角に切った折り紙を 好きなように色画用紙に貼る遊びをしました。
大体予想していた通り、ひとりも『のり』を嫌がるどころか、
すごく楽しく、それぞれのこだわりのある作品を作ったそうです。
「こたろうくんはね、大好きなピンクの色紙だけを選んで、貼っていったんですよ。
ピンク色の方にね。だから、ピンクは隠れちゃったんだけどね。」と、
生き生きと語る美枝先生。
「へー。大好きなピンクにのりを付けたんだね。」と、わたし。
翌日、こどもたちの作品を半分に折って、はしをしっぽの形に切り取り、
下側をのりでくっつければ・・・ハイ!こいのぼり!
大きな目を好きな場所に貼れば、自分だけのこいのぼりが完成する仕掛けでした。
その目の位置も、しっぽに見立てて切ったところを大きな口にして、
その横に貼り付けている人もいました。
でも、それがとても表情豊かで、美枝先生も、可菜子先生も感心しているのです。
そして、あのこたろうくんのこいのぼりは、というと、
白く立体的につながって貼り付けられた色紙が、
丁度、背中の所から飛び出した格好になって、まるで『ひれ』のようにも見え、
とてもおもしろいこいのぼりになってました。
そんな、こどもの発想のおもしろさと、偶然に生まれるおもしろさを知っている保育者が、
こどもたちをゆっくり、豊かに育てるのだと思います。

さくらさんは、大きな画用紙に絵の具の手形をペタペタ付けて、
こいのぼりを作りました。
こちらは、初めからしっぽの形を切り取り、
半分に折っておいたので、開いた状態で手形を付けても、
左右対称に模様を付ける人もいました。
もちろんしっぽのところを口に見立てて、
その横に黒い絵の具で目を描く人もいました。
和実先生は、お部屋の天井にスズランテープを張り、
こいのぼりを乾かしてあげながら、その下でみんなでお弁当。
「なおこせんせい、わたしのどれだ?」
みんな、自信満々に自分だけのこいのぼりをアピールしていました。


ひまわりさんは、大きな布に絞り染めのこいのぼりを
2ひき作りました。
白い布にビー玉を輪ゴムでしっかりと留めるのは、初めての経験でしたが、
結構熱中して、陽子先生が用意したビー玉は、すぐになくなり、
教材庫にあった大きなビーズやおはじきまで、どんどん使っていきました。
ピンクと青の染料を溶かしたタライに布を漬け込んで30分。
陽子先生の手は、真っ青に染まっていました。
その後、やりたい人で布を水で洗い、絞って、園庭に干しました。
すっかり乾いた翌日、みんなでビー玉を外してみると、
きれいな絞りの模様ができていました。
こんな、様々な工程を経る製作を ひまわり組は、
みんなで挑戦し、戸惑い、躓き、教えあい、感動しながら経験することで、
協調する喜びを重ねていくのではないかと思います。


『見えないものを見る』とは、今年度の保育のテーマです。
こいのぼりの製作にでさえ、こどもの中にある、
大切に育ててあげるべきものは何であるかが、
見えてくるような気がします。



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[ 2013/04/27 15:42 ] 保育 | TB(-) | CM(-)