わたしの住まいは、教会と幼稚園の管理者ということで、
園庭の中にあります。
その家の前が、つまり、庭の隅なのですが、
最近、でこぼこなのです。
朝、雨戸を開ける時に、つまづきそうになったほど。
昨日はとうとう、マンホールの下の部分までがむき出しになってしまっていました。
これは、ぴかぴかだんごや、つるつるカップケーキを作るために、
粘土つちやさら砂を「発掘」していたこどもたちの仕業です。
とにかく、9月の中ごろから黙々とやっているのですから無理もない・・・・

穴が目立ち始めた頃、ありゃま・・・とは思いました。
スポーツもする園庭ですから、ぼこぼこと穴だらけになるのはどうしたものか、と。
でも、その前に、園庭はこどもたちにとって、「自然」ですから、
他の子にとって、困ることでない限り、ぼこぼこ大歓迎!と思いました。

そういえば、去年もすべりだいの下に大きな穴ぼこができていったり、
太鼓橋の下がポッコリ丸くえぐれていたりもしました。
それには、必ず理由があります。
その場所でなければならない理由があります。
こどもは、そのにおい・感触・温度そして直感で、
その場所を選び、穴を掘るみたいです。
そこにあるものを手に入れたいから掘ったら穴ができたのか、
穴を掘りたいから掘ったのか・・・・???

どっちでもいいですよね。
どちらにしても、そこにはストーリーが刻まれていきます。
だからおもしろくて、わたしは穴を目にするたびにニマッと笑ってしまいます。

砂場にも、毎日深い穴が掘られたり、
溝が刻まれていきます。
ある日、大きな穴を掘って、明日も続きをするんだ、と目を輝かせながら
帰っていく男の子のお母さんが、
「○○くんのおとしあななんだ、と言っています。」と、
少し心配そうにわたしに耳打ちされました。
「そんなことイメージしてるんですね。」と、笑顔でお母さんと言葉を交わしました。
もちろん、翌日もそんなことは起こる気配もありませんでした。

大人にとっては、「何のために」ということは、重要なことです。
でも、こどもは、目的がなくても今を生きることのできるすばらしい人たちです。
今を精一杯生きながら、あれこれ考え、価値を生み出していきます。
それがストーリーになり、その子と仲間を育てていくのだと思います。
まさに、穴を掘っていくように、先は見えないけれども、
希望を持って、好奇心を持って前に進んでいくのです。

善隣が、こどもたちの「穴ほり」のお手伝いをする場所で、
これからもありつづけたい、と思います。


ところで、家の前の深い穴を見つめながら、
すみちゃん、ゆうかちゃん、ひろこちゃん、ことねちゃんにお願いしました。
「わたしね、夜、ここを歩いてると、バタッとつまづくんだ。
だから、ここはもうやめて、まだ穴がないところを掘ってくれる?」
みんな、ニヤニヤしながらうなづいていました。


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[ 2012/11/03 14:04 ] 保育 | TB(-) | CM(-)