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善隣の庭は、黒い土。
等々力に来た時、まず驚いたことのひとつが、この色でした。
広島育ちのわたしにとっては、地面の色は『白』でしたから。
「これが、『かんとうろうむそう』というものか・・・」と、
勝手に納得したものでした。
それが正しいかはわかりませんが、黒い土の中には、
ときどき、茶色の粘土も混ざっています。
そして、表面の砂が乾いてくると、きめ細かなさら砂になっていきます。
で、水はけがとても悪いので、雨が降った後は、
見事なみずたまりができます。
まるで、湖のような・・・・・
登園前に、先生たちと必死で水を抜くこともありますが、
小さな水たまりをそのままにしておくと、
こどもたちは、最初はその周りで土いじり・・・・
気が付くと、裸足でべちゃべちゃ!そして、どろ人間のできあがり!

次の日。
あの水たまりはなくなって、てかてかのどろができていました。
その上をそうたくんがスクーターで走ってきて、わたしに言ったのは、
「あそこをはしったらね、でくでくしたよ。」
ほー、『でくでく』ですかあ。
見ると、スクーターのタイヤにどろがべったりと付いていて、
地面は、でこぼこになっていました。
そこを走る度に、『でくでく』感は、大きくなったのではないでしょうか。

その後、こうじくんが自慢の黒いピカピカだんごを磨きながら見せてくれました。
すばやく指を動かしながら、例のてかてかのどろを塗り付けては磨いていました。
せっかく光っているのだから、もうどろを塗りつけなくても・・・・
心の中で思いましたが、きっとこうじくんは、常に挑戦者なのでしょう。

おもしろそうなので、わたしもそこに座り込んで、
どろを指に取り、練りながら、『キャラメル』を作りました。
はっぱのお皿にキャラメルを並べていると、
そうたくんも、さとしくんも、ここみちゃんも、よしゆきくんも、えいじくんもやってきました。
土の周りには、こどもたちが集まります。


さて、この変化に富んだ土となかよしのこどもたちは、
最近、どろだんごづくりに夢中です。
丸く、硬く、きれいに作る人の手元をよーく観察して、真似をしながら、
満足のいくどろだんごを極めていきます。
それは、必ずしも丸くはなく、つるつるでもありません。
カップに入っていたり、バケツの中だったりもします。
でも、土という、庭の一部だったものが、その人の手によって、
特別な形につくり変えられるのですから、たまらなくおもしろいのでしょう。

何年も前に、『ひかる泥団子』が流行り、わたしもこどもたちと研究しました。
決まった手順があって、何分磨いて、何分休ませて・・・・・と、やっていました。
それも、とても楽しかったのですが、
今、こどもたちは、経験から得た知識を楽しみながら、
友達同士で遊びつつ、偶然の発見から、
また新たな知識を得ることを 楽しんでいるような気がします。

ある日のこと、自信たっぷりに自分の硬いおだんごを手で磨きながら、
見せてくれるれいちゃんに、
「前は布で磨いたことあるよ。」と、わたし。
次の日、「ぬの、ちょうだい。」と、れいちゃん。
わたしは、あっ、そうだった、と、家に戻って、
いらないジャージを探したのですが、丁度良いのがありませんでした。
そこで息子に相談して、提供してくれたのがTシャツ。
綿だけど、ま、やってみようか、と、はさみでジョキジョキ切って布端を渡すと、
4~5人が、等間隔に座りこんで、
いっせいに自慢のおだんごを磨き始めていました。
それから毎日、『マイ布』で磨いているわけですが、
あれ?光らないぞ・・・・?
ということになれば、また、新たな発見と挑戦が始まるかな?


昨日は、3人の男の子が頭を寄せ合っておだんごを磨いていたかと思ったら、
突然、ひとりが涙を一杯浮かべて、走って行ってしまいました。
どうなるのか見ていると、さも寂しそうな背中を見せながら、
壁の方を向いていました。
でも、後のふたりは滑り台の下の白砂取りに夢中なのか、気にも留めていない様子。
しばらくして見ると、その3人を含む7~8人が、
何事も無かったかのように、黒いおだんごに入れ替わり立ち代り
滑り台下の白砂をかけていました。
おもしろいあそびは、人の結びつきを深めますね。

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[ 2012/09/29 15:17 ] 保育 | TB(-) | CM(-)


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