鍵と秘密基地

「まえね、ジャングルジムでかいぞくせんごっこしたんだよ。
段ボールとかでやねをつくったりしてね。」

最近のこどもたちの、遊具でのありきたりの遊び方に、
物足りなさを感じていたわたしは、
登り棒に一緒に登る仲間のこうしくんに、
ジャングルジムのてっぺんに座って言ってみました。
すると、「やろう!」
こうしくんは、すぐに乗ってきました。
そして、重いテーブルを屋根にしよう!
と、言ってきたのですが、さすがにそれはちょっと・・・・
そこで、一番大きな段ボールを屋根に見立てて遊び始めました。
でも、年長のこうしくんには、もっと他に魅力的なあそびがあったよう・・・・
入れ替わりで、年中のさとちゃんが、目を輝かせて入ってきました。
それから、段ボールに穴を開けて、ひもを通し、
ジャングルジムの鉄の棒に結びつけては、
開閉式の屋根や壁、ドアなどを作っていきました。
そして、いつしか秘密基地づくりと変わっていったのです。
すると次に、
「かぎ、つくって!」
「いいよ。」
わたしは、言われるがままに段ボールを鍵の形に切り抜いていきました。
すると、「ぼくも。」「わたしも。」と、次から次へと注文が舞い込み始めました。
何個も何個も作ったので、指の皮がむけてしまう程でした。
もちろん、取り付けた段ボールのドアには鍵穴をくりぬいていたので、
鍵を手にした人は、鍵穴に鍵を突っ込んで、秘密基地に侵入していきました。
『しちょう』(何故かそう呼ぶのです)のさとちゃんは、
「かぎをもってるひとははいっていいよ。」
と、気前よく言いながら、基地づくりの構想を練っていました。
そしてわたしは『大工さん』。
どんどん増えていく『住人』の、
楽し気で一生懸命なあそびっぷりに大満足しています。

こうして『ひみつきちごっこ』は、今日で4日目になりました。
『住人』が増える度に、郵便受けができたり、鍵入れができたり、
クッキーを焼くオーブンができたり、小さな庭ができたり・・・・・と、
2メートル角ぐらいのジャングルジムの秘密基地は、
限りなく大きな基地になっています。
そして、その基地にはいるには、
思い思いの『鍵』が必要なのでした。

こどもたちには、自分の世界を開いていくための『鍵』が必要なようです。
『鍵』は『意志』となって、まるで魔法をかけるかのようにして、
人間関係や経験を限りなく広げてくれます。
そしてこどもたちは、限りなく成長していくのです。



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[ 2016/11/17 22:15 ] 保育 | TB(-) | CM(-)