教えることと、教えないこと

『こわさないでね』
積木で作ったお家や砂場でつくった大きな山・・・・
お弁当を食べた後で続きをしたい時、こどもたちは、
「こわさないでね、てかいて。」と、いってきます。
もちろん、片づけの時間になったらきれいに片づける。
それがルールですが、あそびが持続するほどこどもは力が付いていくものだ、
ということを知っているわたしたちは、できるだけこどもたちの思いがつながっていくように、
柔軟に考えています。
ですから、取っておけるなら「わかった。」と言って、すぐに紙とペンを用意します。
そのうちこどもたちは、自分でこの大切なメッセージに名前を添えて看板を作り始めます。
多分、善隣で覚える初めの文字は、『こわさないでね』と自分と友達の名前でしょう。

『おてがみありがとう だいすき』
毎日のように、かみの切れ端に書いた、かわいい手紙をもらいます。
これが、2番目に覚える文字でしょう。
そして、わたしも『おてがみありがとう だいすきだよ』と返します。

誰かとつながろうとする時、こどもたちは自分の思いを言葉にし、
そして文字にして伝えたいと思うのではないでしょうか。
その時がチャンス!
知りたい文字をいくらでも教えます。

毎週火曜日の礼拝の時は、片づけの後でホールにみんなでいすを並べます。
「ももさんはひとりおやすみだよ。いすはいくつかなあ・・・」
「んーーーー・・・・24!」
そして、ひとつずついすを数え始めます。
「1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・・・・24」

幼稚園くらいになると、文字や数にとても興味を持ちます。
だから、熱中している遊びの中や生活の中で、どんどん知識を吸収していきます。
そして、知る楽しさや教えてもらう楽しさも一緒に覚えていきます。
それなのに、最近驚かされるのは、
幼稚園で文字や算数のドリルをしている所が増えているとのこと。
たった5時間しかないこどもが社会と交わる貴重な幼稚園生活の中で、
ひとりで机に向かってドリルをしているなんて、もったいない!
それはやりたいなら、家庭でできるではありませんか。
小学校でたっぷり、できるではないですか。
でも、今しかできないこと、今やらなければいけないことがあると思います。
それは、こどもが自分から知りたいと思って行動することです。
おとなからすると、むやみに教えない、ということです。


雨上がりの午後、大きな水たまりのできた園庭で、
こどもたちと遊びました。
長靴で水たまりのしぶきを散らしながら、ひたすら歩いたり走ったり、
シャベルでどろんこをすくっては、ペタペタとセメントのように重ねていたり・・・・・
わたしは砂場から、いきいきと遊ぶこどもたちを見渡しながら、
川を作る遊びをしていました。すると、
「くろいつちになってる。」
と、ひなちゃん。
「え?これ、砂じゃないの?」
と、わたし。
「んんん。しろいのがすなだよ。これはくろいからつち。」
一緒にいる仲間も同じ意見なのか黙って、黙々と川を作っていました。
なるほど、そんな風に分類してるんだ。
そして、水を何度も何度も運んでは流すのですが、
すぐに砂に吸い込まれていきました。
「お庭の水たまりはなくならないのに、どうしてこっちはすぐなくなるんだろね。」
と、わたし。
「かたいからだよ。」
と、得意そうにひなちゃん。
そして、何とか川のように水を流そうと、傾斜を作ったり、水の勢いを強くしたりしていたのでした。
こんな面白い遊びは、理科の学びにつながっていくのだと思います。
だから、正しい答えを教えることよりも、
もっと面白くてもっと不思議な体験を 一緒に重ねていくことが大切だと思います。


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[ 2014/09/11 20:23 ] 保育 | TB(-) | CM(-)