終業日の後

終業日は、いつも厳粛な気持ちになります。
ここまできたか、という達成感と感謝。
こどもたちとしばらくの間会えない寂しさ・・・・・
それで、感極まってしまう園長は、朝のミーティングで泣きながら祈り、
先生たちは、優しく微笑む、というのがいつものパターンです。

幼稚園は、普段は熱くにぎやかで、エネルギーに満ちていますが、
必ず、この静けさが訪れる所です。
子育ては、終わりがないけど、幼稚園教育は、役目を終える時が必ずやってきてしまう・・・・
それは、寂しいことではあるけれど、だからこそ、全身全霊を傾けて、こどもたちを育てよう!!!
と、プロとしての責任を痛感させられるのです。

さて、終業日にこどもたちを送り出した後、
わたしたちは、こどもたちと過ごした日々を振り返り、
自分たちの保育を反省して、学び合います。
時には、自分の未熟さに打ちのめされそうになりながらも、
必ず、今よりも深くこどもを愛し、今よりも深くこどもを理解し、
今よりも良い保育者に成長することを心から願い、信じながら、
真剣に互いの保育を掘り下げていきます。
言い訳や批判に意味がないことを、先生達が自然と知っていることをわたしはうれしく思いました。
互いを信頼している証拠ですから。

こうして、自分たちの保育を振り返った後、
毎年、みんなで2日間の研修に出かけています。
みんなで、同じ学びをすることで、価値観を共有することができますし、
2日目の分科会は違う内容を学んで、分かち合うことができるのです。
今年も良い学びができました。
その中で、『順化』という言葉を学びました。
竹内洋岳さんという登山家の方のとても興味深いお話だったのですが、
酸素の薄い、高地に体を慣らすために、一揆に高所を目指すのではなく、
登っては、一度下に下りてきて体を休ませてから次の段階に進むという、登山の方法でした。
ストレス⇔レストを繰り返すことで、潜在能力が引き出されるということを学びました。
レストとしてのこの夏休みは大切だ、と納得したのでした。

それから、わたしの分科会は『こども園を考える』。
子育てシステムが変わろうとしている今、幼児教育の展望を考えるという趣旨でした。
こどものため、そして、日本の未来のために、私立幼稚園に何ができるのか、
思いを巡らす5時間でした。
その中で、もうひとつ、幼稚園の役割として大切なことに気づかされました。
それは、こどもは、おじいちゃんやおばあちゃんとの関わりを通しても、
優しい愛に包まれ、安心して、ゆったりと育つことができる、ということ。
そして、おじいちゃんやおばあちゃんにとっても、
一緒に孫を育てることは、やりがいのあることだし、地域の中で生かされることになる、
ということでした。
善隣でも、おかあさんの出産や、何かの理由で、おじいちゃんおばあちゃんが、
しばらくの間、送り迎えをして下さることがあります。
園バスはないのですから、なんとかして孫をいつも通り園に送らなければ・・・
と、家族が総出でこどものために動くのです。
おとうさんはもちろん、両方のおばあちゃんがリレーのように連携を取って、
こどもを送り続けてくださったこともありました。
何ヶ月も遠方から通いながら、送り迎えをしてくださったおじいちゃんもおられました。
予定を大幅に変更してお家に帰られずに、こちらに滞在されながら、雨の日も風の日も、
自転車で送り迎えをしてくださったおじいちゃんもおられました。
わたしは、それらの愛に満ちた行動を思い出し、
このように愛されたこどもたちは、今は意識できなくても、
いつか大きな喜びと感謝に気づくだろうし、
おじいちゃん、おばあちゃんとのすばらしい思い出を手にすることができたのだ、
と思って、ひとり感動していたのでした。

今まで、善隣で親子を支援する、という発想は強く持っていました。
でも、これからは、おじいちゃんおばあちゃん、いや、おにいちゃんもおねえちゃんもおじさんもおばさんも、
家族、いや、地域みんながひとりのこどもを囲んでいて、
互いにひとりひとりが大切な役割を担えること。
また、こども自身もみんなに愛され、学びながら、自分の役割を担うものとして成長することを
わたしは、幼稚園が果たすべき、大切な仕事としていこうと思います。


『レスト』しながら、『順化』する夏でありたいです。
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[ 2012/07/28 21:12 ] 保育 | TB(-) | CM(-)

うめジャムやさん

うめジュースやさんをした後、ひまわりさんは、
残った梅を 実と種に分けました。
それに水と砂糖を足して30分煮詰め、わたしはうめジャムを作りました。
50グラムずつカップに入れてみると43こ出来ました。

お部屋でこどもたちと味見をしてみました。
「おいしーっ!」
なんと、うめジュースはあまり得意ではなかった人も、
喜んで食べていました。
そして、「はんぶんずつにわけて、みんなにあげようよ。」
40こぐらいでは、善隣のみんなに行き渡らないことを心配してそう言っている人もいました。
でも、お金を使って本当のお店さんをすることは、イメージできないようでした。

そこで、担任と話し合った結果、わたしがリードして、ひまわりくみと一緒に
うめジャムやさんをすることにしました。
お金を使うことで、その価値を学ぶことができますし、
算数に触れることもできます。
品物を買っていただくことで、お客さんとのコミュニケーションを経験することもできます。
そして、最後に、自分たちが働いて得たお金をどのように使うのかを 
じっくりと考えて欲しいと思いました。
善隣では、毎年、世界の困っているお友達のことを考え、
わたしたちに出来ることは何かを 話し合っています。
そして、『国際飢餓対策機構』という団体を通して、
募金活動に協力してきました。
うめジャムを売って、自分たちのお金を手にした時、
この大切なお金をこどもたちは、どうしたいと思うだろうか・・・・
わたしは、興味津々でした。

さて、終業日前日。
うめジャムは、1つ20えん   おひとりさまひとつまで  40こ げんてい
ということで、園庭に机を広げて『うめジャムやさん』が開店しました。
「いらっしゃいませーーーーーっ!!!!いらっしゃいませーーーーっ!!!!」
にぎやかな声を響かせながら、張り切って仕事をしていました。
翌日、みんなで売り上げを数えてみると¥840
実は、42個ありましたので。
「この大切なお金、どうする?」
と尋ねると、みんなだまって考え始めました。
あまり時間がなかったので、夏やすみの間に考えてこよう!というつもりでしたが、
「たいせつなものがなくなったときのために、とっておこう」と、さとしくん。
とにかく、た・い・せ・つ・に使うことになりました。


春から夏へ。
こどもたちの善隣での生活は、季節とともに様々に広がっていきました。
そして、心も体も少しずつ成長を続け、本当にたくましくなったと感じます。
夏休みの間の貴重な経験も、こどもたちを大きく育てることでしょう。
わたしは、ちょっとリラックスし過ぎて、体が成長してしまうのが心配ですが、
心と頭の栄養は、たっぷり取りたいと思っています。


[ 2012/07/22 18:05 ] 保育 | TB(-) | CM(-)