心配しないで、お母さん

今年も、来年度入園を考えておられる方々の見学が始まりました。
かわいいお客さんが、お母さんと一緒に訪れると、
こどもたちは興味津々。
「だれ?」と、しつこく迫ります。
「おなまえおしえて?でしょ?ようちえんにあそびにきてくれたんだよ。」
と、その度にわたしが言い直させるので、最近は、こどもたちも心得ていて、
「おなまえは?」と尋ねた後、
「わたしがあんないしてあげる。」とか言って、張り切っています。
一年前は、ママの陰に隠れるようにして幼稚園見学に来ていた人も、
すっかりベテランの顔をして、遊んであげたり、わたしの説明に相槌をうったり・・・・・

わたしはいつも思います。
このこどもたちが善隣の良さを伝えてくれるのだと。
それは、わたしにくっついていつもと変わらず自己主張する人も、
お客さんには目もくれず、好きな遊びに熱中している人も、
お客さんが気になってしかたがなくて、すぐ友達になってしまう人も、
みんな、『自分らしい』から。
善隣に一目置いて下さるかたは、このこどもたちの姿に何かを感じてくださるようです。

さて、先週、熱心に見学してくださった方々が、心配に思っておられることを
わたしに打ち明けてくださいました。
こどもの主体性を伸ばしたいが、しつけるべきこととの境目がわからない、とか、
感情を抑えることができない我が子に本当に困っている、とか、
早生まれなので、集団についていけるのか心配している、など・・・・・・・
いづれも、赤ちゃんから、幼児へと育っていく過程におとながぶつかる問題だと思いました。
我が子を心から愛し、大切に大切に育ててこられたお母さん方だからこその心配ごとだと思いました。
でも、大丈夫!!!
こどもは、すでに、ひとりの人間として、自立に向かって育とうとしているからです。
昨日までの、ママを頼るしかなかった赤ちゃんでもないし、
社会の一員であることを悟ったお兄さんお姉さんでもないのです。
おとながすべきは、今の我が子をちゃんと見て、受け止めることだと思います。
どうしてあげれば良いかの答えは、そこにあります。
その答えは、一人ひとり違いますから、氾濫する情報に振り回されないで、
我が子に与えられている力を信じて、ちゃんと見て、受け止める。
そうすれば、こどもの育とうとする力は邪魔されることなく、必ず伸びていきます。

心配しないで、お母さん。

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[ 2017/05/27 20:32 ] 保育 | TB(-) | CM(-)

ささやかな行動のなかに

園庭が静かだった連休の間に、
アリたちが活発に活動を始めました。
毎年のように、園舎のはしっこには、立派な巣が出来ているのですが、
朝の掃除の度に箒で、サッサとはいてしまっています。
それでもアリたちは、ため息もつかずにまた作り直しているのでしょう。
次の朝には、巣はもっと大きくなっています。

アリたちの営みが、わたしたちの園庭の片隅で、
絶え間なく繰り広げられているから、
こどもたちは、ある日、小さなアリに出会い、
その姿をじっと見つめたり、
追いかけまわしたり、捕まえて、得意げに自慢したり、育てたりします。

先日、絵の具できれいな色水を作って遊んでいたひまわりさん。
「なおこせんせい、こおらせて!」
「わかった。でも、その入れ物のままだと冷凍庫に入らないよ。」
と、答えたのですが、その後、どういう展開があったのか、
気が付いたら、毒のような怪しい色に変わっていて、
アリを捕まえてはその中に入れて遊んでいました。
・・・・・・・・

アリたちが、この園庭で必死に生き、絶え間なく成長を続けている横で、
こどもたち一人ひとりも必死に生き、絶え間なく成長を続けています。
そのありさまは、時に大胆で、
わたしたちおとなに成長の実感を与えてくれることもありますが、
ほとんどの場合、見落としてしまうくらい当たり前の、
ささやかな行動であったりします。
でも、そのささやかな行動のなかにこそ、
そのこどもの特徴や願いが表されていたりするのです。

こどもたちの目には、大きく映るアリのように、
わたしたちも、こどもたち一人ひとりのささやかな行動を
大きくこの眼に映していきたいと思います。





[ 2017/05/14 19:18 ] 保育 | TB(-) | CM(-)

そつえん

また、こどもたちを送り出さなければならない日を迎えました。
笑顔の中に、少し寂しさをにじませていたひまわりさん。
それは、だいすきな真乃先生と、いよいよお別れしなければならない、
ということが大きいようでした。
そして、好きなこと、楽しいことで詰まった善隣を離れがたい気持ちも、
よく伝わりました。

最後の一週間は、みんな気持ちの赴くまま、
日替わりのように、時を惜しむように遊んでいました。
あの『あな』はどうなったかというと、
なりくんが、突然、必死で再び掘り始めた日がありました。
泥棒が幼稚園に現れた時、わたしが危険を察知して、
この穴に飛び込み、地下トンネルを通って、
外まで逃げられるように、と、掘っていたそうです。
もう、卒園まで時間がない、と感じたのか、
ある日突然、必死で掘って・・・・
でも、翌日は、ともだちと砂場に山や川を作っては、
水を流しながら、必死で遊んでいました。
その翌日からは、ホールに箱積み木で家を作り、
ともだちとすみかのようにして遊び・・・・・


こどもには、思いつくままあそび、やすみ、
またあそべるような、自由な時間と場所が必要です。
昔よりもこどたちを囲む環境が、不自由になってきた現代だからこそ、
幼稚園はその時間と場所を保証する、貴重な所でなければなりません。
善隣のこどもたちも、お母さんがたも、
そのことをよくわかってくださっているからこそ、
ここを離れることを寂しく思って下さるのだと思います。


卒園を前にして、わたしはなりくんと交渉しました。
この『あな』を4月に入ってくる小さなももさんがケガをしないように、
埋めてもいいだろうか・・・ということでした。
「だめ!ぜったいだめ!ぼくのたのしいおもいでが、かなしいおもいでになる!」
なりくんは、ずっとわたしに訴え続けました。
園庭がもう少し広ければこのデコボコ、とってもいいんだけど、
3学期はいいんだけど、1学期はちょっと・・・・・
気の弱い園長の判断でした。
「なりくん、わたしにまかせてくれないかなあ・・・」
「いやだ。」
「このあなはなりくんのこころの中にずっと残るとおもうよ。」
「いやだ。」・・・・・

こんなやり取りを繰り返しながら迎えた卒園式の日でした。
園庭を去る最後のひとりになったなりくん。
笑顔で『あな』と一緒に写真を撮り、
「いいよ。」と言ってくれました。


4月の新スタートを迎えるまで2週間。
こどもたちの成長の足跡が刻まれた、
この園庭を眺めながら、こどもたちにとって、
何が一番大切なのか・・・・・・・・????
思い巡らそうと思います。
そして、卒園したこどもたちもまた、
自分の残した確かな足跡を土台にして、
今、したいことと、するべきことをちゃんと見分けながら、
一番大切なことを選び、
堂々と、前へと進んで欲しいと思います。

そつえん、おめでとう!!!!!



[ 2017/03/20 11:49 ] 保育 | TB(-) | CM(-)

最後の遠足

善隣では、毎月全園児で、遠足に出かけています。
等々力渓谷、野毛公園、多摩川の土手、畑・・・・・

いつも、年長さんが年少さんと手をつなぎ、優しくお世話をしてあげます。
自分が年少だったときに、優しくしてもらったように、
年長さんは、自信満々に年少さんをリードしてあげます。
そして、年中さんは年中どうしで手をつなぎます。

さて、こうして深い仲になった愛しい仲間との、
最後の遠足に、今日、行ってきました。
『おわかれ遠足』というネーミングは、あまりにもかなしい・・・・
ということで、『バス遠足』。
2台の路線バスで40分。
羽根木公園に行きました。
年長さんが、ここに行きたい、と決めたからです。
顔も体も砂まみれになりながら、遊びたいように思いっきり遊びました。

「あそんでおいで。はいどうぞ!」
と、こどもたちの判断力とあそぶ力を信じて開放してあげると、
こどもは、自分の『できること』と、『できるようになりたいこと』を瞬時にミックスして、
『やりたいこと』につなげていきます。
その様子は、見事に個性的で、楽しそう!
わたしも負けずに個性的にあそびました。
高い滑り台に駆け上ったり、木に登ったり・・・・
と、言ってももちろん、こどもたち全体の安全を見守りながらですよ。

「もうかえるのお?」
そんなちょっと不満げな面持ちで、
でも、体でいっぱい遊んだ心地よい疲れを感じながら、
元気に帰って来ました。

『最後の遠足で、自分のやりたい遊びが思いっきりできるようになっていること』
実は、善隣が成長の目標にしていることです。
今年もこどもたちは、成長の姿を見せてくれました。

さあ、卒園まで3週間。
「あそんでおいで。はいどうぞ!」
[ 2017/02/24 19:51 ] 保育 | TB(-) | CM(-)

あなぼこだらけの園庭

3学期が始まって、すぐに始まった穴を掘るあそび。
3週間たっても進行中です。
おもしろいことに、誰もがこの穴に興味を持っているのに、
掘っていいのは最初に穴掘りを始めた人たちだけ。
『ぼくのあな』というわけです。
先週から、その穴の横に別の穴も掘られ始めたのですが、
そっちはそらくんとゆいなちゃんとゆなちゃんが、
「かわをつくるんだ!」と言って、工事を進めています。

今やわたしの家の前は、あなぼこだらけなので、
夜は必ず外灯を付けておかなければ、
宅急便やさんが穴に落ちてしまうかもしれません。

また、園庭の真ん中では、はるとくんがすごいものをみつけました。
きょうりゅうのほね?!・・・・・・・
わたしがそういうと、はるとくんは確信に満ちた顔でうなづきました。
でも、それをしっかり洗ってみると、大きな貝殻の破片だ、ということになりました。
それでも、貝が発見された、ということは、
昔ここは海だったのだ!ということになったのでしたが、
こどもたちは、
「そうだよ。きょうりゅうのじだいはうみだったんだよ。」
と、いたって平然と話していました。

この小さな園庭も、こどもたちの世界となれば、いろんな発見が生まれます。
それは、こども時代に出会う宇宙です。

ところで、1回目の『うたたねカフェ』は、
楽しく開催されました。
またのお越しをお待ちしております!!
[ 2017/01/29 20:19 ] 保育 | TB(-) | CM(-)

「ずっとようちえんにいていいですか?」

善隣の2017年が始まりました。
こどもたちのエネルギーは、
12月に味わったクリスマスページェントの興奮と、
冬休みの間の、幼稚園を待ち遠しく思う気持ちから、
あふれ出ているようでした。

お弁当も始まって、
ようやくたっぷりあそべるぞ!となった3日目。
「なおこせんせい、これよりかたいスコップをかしてください。」
と、プラスチック製のシャベルを持ってきたれおなくん。
「いいよ。何を掘るの?」
と、鉄のシャベルを渡しながら聞いてみると、
「じめん。」
そして、早速園庭の硬い地面をシャベルで堀始めたのでした。
地下室を作る・・・地下道を作る・・・宝物を見つける・・・セメント工場・・・・
目的はいろいろ変わるようでしたが、
仲間が増えたり、、眺める人がいたりしながらも、
気付いたら、30センチは掘っていました。

わたしが夜、穴に落ちないように(穴は、家の玄関の真ん前なので・・・)
コーンと縄跳びを使って、立ち入り禁止区域にしてくれていました。
そして、翌朝、
れおなくん、そうくん、あおくんは、長靴を履いてはりきって登園。
「スコップかしてください。」
工事はまだまだ続くようです。

正直、こんな大きな穴が園庭にできたのは、
本当の工事以外ではありませんでした。
おもしろいことをみつけたものだ!!!と、感心します。
と、他のこどもたちはどうしているかといと、
それぞれにおもしろいことをみつけて熱中しているので、
段々深くなっていく穴を時々眺めたりはしているものの、
誰も心配はしていないようです。

ところで、年長のひまわり組は、
そろそろ幼稚園生活のしめくくりの歌として、
『みんなともだち』『ぼくらはみらいのたんけんたい』という歌を歌い始めました。
その中に、「みんなともだち、がっこういってもずっとともだち」という歌詞があり、
ちょっと複雑な表情をしている人もいました。
「これ、そつえんしきにうたったらいいんじゃない?」
と言った女の子の声に、
「いやだ。」
と、ひとりの男の子が言いました。
12月に、突然わたしを捕まえて、
「なおこせんせい、ずっとようちえんにいていいですか?」
と聴いてきた男の子でした。
わたしはその時、
「いいよ。小学校に行きたくなるまでずっといていいよ。」
と返したので、
男の子は、安心した表情で、
「わかった。」
と言って、遊びに戻ったのでした。
幼稚園生活があまりに充実しているので、
その先に必ず訪れる環境の変化を今は受け止められないのかもしれません。
でも、これだけ充実し、熱中できるものを自ら獲得してきたこどもたちなら、
時が満ちれば、必ず次の一歩を自ら踏み出していくと信じています。

ひとりひとりが、自分の足で、自分の歩幅に合わせて、
ゆっくりと歩んで行く2017年であって欲しいです。
[ 2017/01/14 11:44 ] 保育 | TB(-) | CM(-)

鍵と秘密基地

「まえね、ジャングルジムでかいぞくせんごっこしたんだよ。
段ボールとかでやねをつくったりしてね。」

最近のこどもたちの、遊具でのありきたりの遊び方に、
物足りなさを感じていたわたしは、
登り棒に一緒に登る仲間のこうしくんに、
ジャングルジムのてっぺんに座って言ってみました。
すると、「やろう!」
こうしくんは、すぐに乗ってきました。
そして、重いテーブルを屋根にしよう!
と、言ってきたのですが、さすがにそれはちょっと・・・・
そこで、一番大きな段ボールを屋根に見立てて遊び始めました。
でも、年長のこうしくんには、もっと他に魅力的なあそびがあったよう・・・・
入れ替わりで、年中のさとちゃんが、目を輝かせて入ってきました。
それから、段ボールに穴を開けて、ひもを通し、
ジャングルジムの鉄の棒に結びつけては、
開閉式の屋根や壁、ドアなどを作っていきました。
そして、いつしか秘密基地づくりと変わっていったのです。
すると次に、
「かぎ、つくって!」
「いいよ。」
わたしは、言われるがままに段ボールを鍵の形に切り抜いていきました。
すると、「ぼくも。」「わたしも。」と、次から次へと注文が舞い込み始めました。
何個も何個も作ったので、指の皮がむけてしまう程でした。
もちろん、取り付けた段ボールのドアには鍵穴をくりぬいていたので、
鍵を手にした人は、鍵穴に鍵を突っ込んで、秘密基地に侵入していきました。
『しちょう』(何故かそう呼ぶのです)のさとちゃんは、
「かぎをもってるひとははいっていいよ。」
と、気前よく言いながら、基地づくりの構想を練っていました。
そしてわたしは『大工さん』。
どんどん増えていく『住人』の、
楽し気で一生懸命なあそびっぷりに大満足しています。

こうして『ひみつきちごっこ』は、今日で4日目になりました。
『住人』が増える度に、郵便受けができたり、鍵入れができたり、
クッキーを焼くオーブンができたり、小さな庭ができたり・・・・・と、
2メートル角ぐらいのジャングルジムの秘密基地は、
限りなく大きな基地になっています。
そして、その基地にはいるには、
思い思いの『鍵』が必要なのでした。

こどもたちには、自分の世界を開いていくための『鍵』が必要なようです。
『鍵』は『意志』となって、まるで魔法をかけるかのようにして、
人間関係や経験を限りなく広げてくれます。
そしてこどもたちは、限りなく成長していくのです。



[ 2016/11/17 22:15 ] 保育 | TB(-) | CM(-)

きみこそスターだ!

運動会を、予定通り、玉堤小学校で行うことができました。
真っ青な秋晴れの下、汗をかきかき・・・・・・
と思っていたのですが、グレーの曇り空の下、ちょっと肌寒く。
でも、こどもたちはハイテンション!!
熱中症も気にしないで、のびのびと過ごすことができました。

こどもたちの活躍に感動して、
すぐに声が揺れ、目がしらが熱くなる園長だったのですが、
準備から進行、そして片づけまで、たくさんの保護者の方が力を貸してくださり、
本当に温かい運動会でした。
善隣の顔と名前がわかり合う運動会は、やっぱりすばらしい!!です!!
みなさん、ほんとにありがとう!!
それから、卒園生の親子もたくさん駆けつけて、
競技を盛り上げてくださいました。
中学生も参加してくれました。
こんなにいろんな人に囲まれて成長できることが、
こどもたちにとって、とても大切なことだと思います。

今年の運動会のテーマは、
『きみこそスターだ!』
「ぼくは、わたしは、みんなの中で、たったひとりしかいない、
大切な存在なんだ」・・・・・・・
当たり前のことなのに、みんなの中にいると、忘れてしまいがちなことを
もう一度みんなで確かめることができたなら幸いです。

あそびに来てくださった地域の方や未就園のみなさんも
ありがとうございました。
また、善隣に遊びに来てくださいね。

ちなみに、園庭開放は、10月19日(水)14:00~15:30
バザーは、11月11日(金)10:00~13:00です。
みなさんのお越しをお待ちしています!!
[ 2016/10/11 15:48 ] 保育 | TB(-) | CM(-)

水たまり

秋雨が続いて、
サルスベリのピンクの花は、少しづつ散っていきます。
園庭の地面は濡れて、毎日黒くねとねとしています。
それでも、雨粒を避けながら、こどもたちは園庭に出てきます。

ブランコの下の小さな水たまり。
「ブランコやりたい。」、とのはなちゃんの声に、
ほうきとちりとりを持ってきて、水たまりの水を抜いてあげました。
そして、こどもたちは大喜びでブランコを漕ぎ始めましたが、
しんくんは、わたしの使ったほうきとちりとりに興味津々。
早速、その長いほうきの柄を持って、
園庭にちょこちょことある水たまりの掃除を始めました。
器用に持ってはいたのですが、やっぱり難しそうなので、
「ちいさいほうき持ってこよううか?」と聞くと、
目をキラキラさせながら「うん」
ほうきを使って、水たまりの水をちりとりに入れては、バケツに移す。
この作業を延々と続けました。
途中で、わたしたちに興味をもったそうたろうくんも加わって、
3にんで、登り棒の下のみずたまりもきれいにしました。

そのついでに、砂場の横の水たまりもきれいにしていると、
「どうしてとるの?!」と、不満顔のあおくん。
それはそうです。
あおくんとあんちゃんは、せっせとバケツで水を運んで水たまりを作ったのですから。

”水たまり”の意味もそれぞれです。
そして、すべてはこどもにとってのおもちゃであり、教材です。

[ 2016/09/16 19:52 ] 保育 | TB(-) | CM(-)

達成感?

園庭の門の横に立つサルスベリの花が、今年も開きはじめました。
毎年の台風の度に、斜めに傾いてしまったこの木を
まっすぐにしてあげたい、と思い3月に施した工事。
ちゃんと花を咲かせてくれるか、ちょっと心配していましたが、
計画通り、まっすぐと立ち、ピンクの美しい花を咲かせています。

3月のフェンスの工事のために、殺風景になってしまった園庭の端に
もう一度緑のフェンスを作ろうと計画して植えたアイビーは、
なぜか育たなかったのですが、
思いつきでまいた朝顔の種からどんどんつるが伸びて
ピンクや紫の花を咲かせてくれています。

そして、これまた斜めになりながらも、力強く根を張り、
こどもたちが大好きな木登りの場所になってきたニセアカシヤの木に、
今まさに、植木屋さんが手を施してくださっています。
この木もこれから何年も何年もこどもたちと一緒に
ここで成長してくれることを願い、
植木屋さんたちと一緒に計画を練りました。


さて、善隣幼稚園の1学期も、ついに終わりました。
「こうなったらいいな!」「これが課題だからこうしよう!」・・・・
そんな『願い』を随所に込めて、一日一日を送ってきました。
サルスベリがきれいに咲いたのも、
フェンスが朝顔のつるで緑に覆われたことも、
わたしたちが計画し、実行したことの結果でしょう。
でも、もっともっと多くのことが、
わたしたちの計画にはなかったことです。
そして、想定外であったことの中にこそ、
奇跡ともおもえるような、すばらしすぎる結果が与えられています。
だから、わたしたちの手ではなく、もっともっと大きな御手の中で、
すべてが最善へと創りかえられているとしか思えません。

昔、教育のねらいとして、『達成感を味わう』という表現を
よく使っていたことを思い出しました。
でも、今園長として、日々味わっている喜びは、これではないのは確かです。
『達成感』という言葉を忘れてしまっていた程、
驚きにあふれた喜びを味わわせてもらっています。


今年も年長組の計画のもと、『お泊り旅行』に行ってきました。
長い時間をかけ、話し合い、準備をし、保護者の方々にも協力をいただき、
こどもたちの主体的な活動を引き出しながら進めてきました。
でも、最終的には大切なこどもたちをお預かりして出かけなければならないのですから、
大抵毎年、その責任に押しつぶされそうになり、
前日には、「どうしてお泊り行くかなあ・・・・・やめたいなあ・・・」と、
ひとりつぶやいてしまう弱気な園長です。
だからこそ、きっと神さまが最善をなしてくださる!!
と、信じ祈りつつ、一歩を踏み出していくしかありませんでした。
ここまで勇気を奮い立たせながら、準備してきたこどもたちの力を信じ、
ここまで園を信頼して、ともに歩んでくださった保護者の方々に感謝し、
ここまで苦労を共にして、一緒に準備してきた先生たちに感謝して。

そして、今年も素晴らしいお泊り旅行を全員で経験することができました。
すべてを終えて幼稚園に帰ってきて感じたのは、
『達成感』というような、偉そうなものではありませんでした。
それは、『驚き』と『感謝』。


植木屋さんは、あのニセアカシヤの木にまたがり、
考えながら、枝を落としておられます。
この木がこれからもこどもたちと一緒に生かされて欲しい、
という園長のねがいをかなえるために。
もしかするとそれは、計画通りにはいかないかもしれませんが、
きっと、わたしたちの思いを越えた素晴らしい物語を紡いでいくことでしょう。
それをわたしは信じます。




[ 2016/07/28 11:04 ] 保育 | TB(-) | CM(-)